水道用語リスト:塗膜

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塗膜
塗料やコーティング材料が表面に形成する膜状の層を指します。これは、塗装やコーティングのプロセスによって、液体や粉末状の塗料が乾燥や硬化、固定されて形成されるもので、被塗物の保護、美観、耐候性、機能性を向上させる目的で用いられます。
塗膜の特性や種類は、使用される塗料やコーティング材料、塗布方法、塗膜の厚さ、基材の種類などに依存します。以下にいくつかの塗膜の種類と特性を示します。
エナメル塗膜
高光沢で滑らかな仕上がりを持つ塗膜。硬度が高く、耐久性があり、洗浄が容易なため、家具や金属の表面などによく使われます。
アクリル塗膜
アクリル樹脂を基にした塗膜で、耐候性や耐水性に優れています。屋外の家具や建築物、車両の外装などに広く使用されます。
ウレタン塗膜
ポリウレタン樹脂を基にした塗膜で、強固で耐摩耗性が高く、耐薬品性もあります。家具、車両の内装 ・外装、床材などに利用されます。
防食塗膜
金属表面に塗布され、錆や腐食を防ぐための塗膜。耐腐食性が高く、海洋環境や化学工場などで使用されます。
フッ素樹脂塗膜
高耐候性、耐熱性、非粘着性を持つ塗膜。建築物の外壁や調理器具などに使用されます。
下塗り塗膜
基材の表面を保護し、上塗りの塗膜を密着させる役割を持つ塗膜。密着性や耐久性が求められます。

塗膜は、耐候性、耐摩耗性、耐薬品性、美観、保護など、様々な目的に応じて設計されます。正しい塗膜の選択と適切な塗布が重要であり、材料や環境に合わせた適切な塗装プロセスが必要です。

水道配管の塗膜について
水道配管の塗膜は配管の腐食防止や耐久性の向上、水質の安全確保を目的として施されるものであり特に鉄製の配管では水や空気にさらされることで内部から錆が発生するリスクが高いため塗膜の存在は配管の健全性を維持するために極めて重要であり塗膜にはエポキシ樹脂塗料やポリウレタン塗料などが用いられ、それぞれに防食性や密着性、耐水性などの特性があるため、用途や環境に応じた適切な選定が必要であり、例えば屋外に設置される配管では紫外線や風雨に晒されるため耐候性に優れた塗膜が求められる。
一方、屋内や地下に敷設される配管では長期にわたる防食性能と周囲環境との適合性が重視されることから塗膜の厚さや施工方法も施工基準に従って厳密に管理されており不適切な塗装や膜厚の不足は施工後の早期劣化や漏水の原因となることがあるため信頼性の高い施工業者による品質管理が不可欠である。
配管の内部に施されるライニング処理も塗膜の一種とされ飲料水を流す配管では人体への影響がない素材が用いられなければならず厚生労働省や日本水道協会の基準に適合した材料の使用が義務付けられているため、設計段階から水質と安全性に配慮した塗膜仕様の策定が求められている現状があるため、定期的な点検や塗膜の状態確認を通じて適切な保守管理を行うことが、水道インフラの長寿命化と安定供給に寄与する重要な対策とされており近年では環境負荷の低減を目的として有機溶剤を含まない水性塗料の開発や塗膜性能をデジタル管理する技術も導入されつつある。施工の均一性や品質向上が図られており今後はより高性能かつ持続可能な塗膜技術の開発と現場適用が水道配管の品質向上と安全な生活環境の実現に貢献していくことが期待されている。